FUMINARI MATSUZAKI

FUMINARI MATSUZAKI

当たり前のことを当たり前にしない
そこにアイデアのタネがある
開発部松崎 史也

2002年に新卒で入社以来、19年間、開発部に所属。現場や製品の課題を見つけ出し、各部署とともに解決策を模索しながら、製品開発の方向性を指揮する。海外の展示会や学会など市場調査にも従事。

長く役立つ製品を開発したい

―入社の経緯を教えてください

大学で学んだ工学系の知識を生かしたいと思い、製品開発を希望しました。もともと音響に興味があり、大学院では脳科学を研究していたのですが、自分が学んできたことと補聴器は関連がある分野なのだと気づきました。
また、流行り廃りのある製品ではなく、自分の関わった仕事が長く役立つのは、やりがいのある仕事だと感じましたので、入社を決めました。

「問題があるから解決する」ではなく
「何を課題と捉えるか」

―現在の仕事内容を教えてください

私の仕事は、課題を発見し、その課題の解決策を各部署の担当者とともに検討し、立案することです。つまり、製造開発の方向性を決める仕事とも言えます。
新しい製品を生み出すには、最先端にある問題は何なのか、顕在化していない課題は何かを考えることが重要なのです。世の中をじっくり考察していると、アイデアのタネは尽きることはありません。当たり前のことを当たり前にせず、立ち止まって考えることが、気づきのタネになります。改良は完成度を高めていくうえで大切なことですが、新しいものを生み出す話とは、少し異なります。単に「問題があるから解決する」のではなく、「何を課題と捉えるか」で世の中に新たなことを提供できると考えています。何を課題と捉えるか、何を大事にするかが、メーカーの個性となり、それがメーカーの強みともなるのです。

いろんな観点から検証し
バランスの良い答えを導き出す

―仕事のやりがいを教えてください

部品の一つをつくるのではなく、メーカーとしてユーザーが使う最終製品をつくっていることがこの仕事の魅力だと思います。どのようにすれば高齢者の方々に使いやすい製品になるのかーー。それを考え抜くのです。
補聴器のスイッチひとつをとっても、いくつも試作を行います。補聴器は、見なくても簡単に操作できるようにしなくてはなりません。このスイッチも、約80パターンもの試作をつくりました。操作性だけでなく、耐久性や湿気に対して強いかなど、さまざまな観点から検証していきます。頑丈な素材を使えば耐久性は高くなりますが、価格は上がりますし、またスイッチを見つけやすいよう飛び出させると、邪魔になってしまいます。そのちょうど良い落としどころを見つけるのが難しく、試作を繰り返しながら導き出していくのです。

スペックでは表現できない品質を追求していきたい

―今後、どのような製品をつくりたいですか?

補聴器は最先端の技術が使用されており、技術的な観点からも非常にやりがいのある仕事です。聴覚は脳と深い関係があり、現在は脳波の研究が大きなトレンドとなっています。これらの研究を商品に活用するのはまだ先になりますが、いつか挑戦したいと思います。
そして何より、補聴器を付けていたことを忘れてしまうような、空気のように感じられる製品を目指していきたいです。スペックとして表現されるのは分かりやすいですが、実はその間にある、言葉では言い表せないものがとても重要なのではないでしょうか。

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