2021.07.07

ワイヤレス充電式補聴器「テレーズ」のご紹介

 

マキチエは2015年7月に世界で初めてリチウムイオン充電式補聴器を発売しました。

テレーズは弊社の充電式補聴器の最新の製品となりますが、充電式は今後も弊社が力を注ぐ分野の一つです。
最初に弊社が充電式補聴器の開発を始めた理由をお話しさせて頂きます。

補聴器は長らく小型のボタン型電池を交換して使用するタイプが主流でした。

体に身に着けて使用する身近な電子製品では腕時計があります。こちらは新品の電池に交換すれば数年持つ製品も一般的です。しかし補聴器の場合は、空気を振動させて大きな音を発生させる必要があります。そのため腕時計に比べると消費電力が非常に大きく、小型のボタン電池のサイズですと数日から10日程度の電池寿命が精一杯です。
患者様は電池が切れるたびに電池の交換が必要になります。電池も改良されてきて過去に比べて現在は電池の容量も何倍にも伸びましたが、それでも日々の電池交換が無くなるわけではございません。

先代の弊社会長であった朝山は自身の長い補聴器販売の経験で直接お目にかかってきた患者様、特にご高齢の方々が電池の取り扱いに対し、どれだけご不便を感じてらっしゃるかを技術部門の社員に繰り返し強い気持ちで訴えていました。
こういった問題意識にもとづき弊社として出した結論は、より良い交換式の補聴器を開発するのではなく、そもそも電池の交換自体を必要としない補聴器の開発を目指すことでした。

じつは充電式補聴器というアイデアは弊社独自のものではございません。
補聴器業界でも様々な方が充電式補聴器の可能性を口にしておりました。実際に開発した補聴器メーカーもございました。しかしながら従来の充電池の技術では1度の充電で連続使用できる時間が数時間程度に限られていたのです。
補聴器は朝起きてから夜寝るまで長時間ご使用なさる方が多くいらっしゃいます。そのため数時間の寿命では実用性は低く普及までには到っておりませんでした。

それまでの充電式補聴器に使われていたタイプの充電池では限界があることが分かっておりましたので、弊社では最初からリチウムイオン電池の採用を目指しました。リチウムイオン電池は、現在ではスマートフォンやパソコン、電気自動車など大小様々な製品で広く使用されていますが取り扱いに高い技術が必要で、補聴器のような超小型の機器に内蔵するためには、補聴器のあらゆる部分の設計の見直しが必要となり開発は大変な困難を極めました。
電池メーカーと協力しながら2015年にリチウムイオン充電式補聴器として世界初の発売に到るまでに10年の長い開発期間を必要としました。
こうして先代の会長が求めた日々の電池の出し入れがいらない誰でも簡単に使用できる充電式補聴器が形になりました。

改良製品であるテレーズでは充電システムの改良により充電可能回数が大幅に伸びました。

加えて音処理の機能が向上しており、6つの音環境を自動的に認識し、
より適した音処理に自動的に切替わる機能が追加されています。

また弊社のこだわりとして患者様が実際に使いやすい補聴器を目指し、ボタンや表示ランプの形状や
大きさについて細かく検討し、性能表だけでは見えない使い勝手を向上させました。

弊社の製品にご興味を持って頂けたら嬉しく思います。